管理人の戯言をつらつらと書き綴っております。
腐っておりますので苦手な人は回れ右。
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ドイツvsスペインでドイツが負けちゃいましたが、そのお陰でネタが浮かんだっていう←
色々捏造。
それを聞いた俺は愕然とした。
「ロマーノー、親分勝ったでぇ~!」
その日の夜、スペインはきらきらと輝く太陽のような笑顔でロマーノに話しかけていた。昨日のドイツ対スペイン戦で自分が勝利した事を報告しに来たようだった。
「一本ゴール決められそうなんわ危なかったわ~。でもウチのゴールキーパーがちゃんと止めてんで!」
だが肝心の彼ははそんなことはどうでもよさそうにしている。むしろそれを聞いているのが腹立たしくて仕方がないようで、むすっとした顔で頬杖をついてテレビを眺めている。
テレビにはニュースでドイツの試合結果を全て予想し、的中させたというタコが映っていて、ロマーノはそれを見てまた腹立たしく思ったのかリモコンを取ってパチパチとチャンネルを回し始めた。
「…そーかよ」
「そんでなぁ、そんでなぁ、親分がゴール決めたときめっちゃ爽快やったんやで!ロマーノもテレビ見とったやんなあ!親分かっこよかったやろ~!」
しかもそれに気がつかないようでスペインはずっとその自慢ばかりしている。何百年も一緒に暮らしているはずなのに、元からの彼のラテン気質のせいだろうか。どうもロマーノの事を理解できていないように思える。
「あ、そや!親分ドイツに勝ったし、一緒に何か食べに行かh「うるせえこのやろう!」
そうやってロマーノを食事に誘おうとすると、ついにロマーノ堪忍袋の緒が切れたらしい。ポコポコと怒りを露にして乱暴にドアを開けるとどこかへと去って行ってしまった。
ひとり取り残されたスペインは、ぽかんと口を開けてしばらくそのドアを見つめていた。
「ちくしょうあの野郎、スペインなんかに負けやがって!」
路上を歩きながら悪態付く。ロマーノが向かうは、彼の、家。
ゴンゴンとノッカーを叩く。数秒すると、男が顔を覗かせた。
「こんな夜遅くにどうしたんだ」
ドイツだ。
丁度風呂上りだったらしく、いつものような金髪を後ろへ撫で付けてはおらず、無造作に下ろしていた。
「スペインなんかに負けやがって、何なんだコノヤロー!」
「ああ、ワールドカップの事か。まあ…立ち話もなんだ。中に入れ。コーヒーでも入れよう」
そうしてドイツはロマーノを家の中へと招き入れる。ロマーノはあのうるさい兄がいるのではないかと少々身体を固くしたが、どうも気配がないのでドイツに聞いてみると「先程ブログを更新してくると言っていたが、大分時間が経っているからもう寝たんだろう」と返事が返ってきた。
「そこに座って少し待っていろ。」
言われるままにドイツが指さしたソファへどかっと座る。
しばらく待っているとコーヒーの良い香りが鼻孔をくすぐった。先程まで憤っていたにも関わらず、その香ばしさにかすかに心が安らいだようで、ドイツがコーヒーと菓子を持って現れる頃には既に怒りはおさまっていた。
「で、何で負けたんだよちくしょうが!しかもなんだよあのタコ!カルパッチョにして食ってやる!」
が、ドイツの顔を見ると再び怒りが湧き上がってきたのだろうか。先程と同じようにポコポコと怒りつつドイツに詰め寄る。するとドイツは困ったような顔をした。
しかしその表情はロマーノ…いや、他人からしてみるとかなり不機嫌であるように見え、とても怖い。それを見たロマーノはちいさく「ひっ」と息を飲んでしまった。
「ふむ、1点差だったからな。中々悔しかったのは事実だ。敗因は…やはり守りに徹しすぎたところか。もう少し攻撃に力を入れても良かったと思う。パウルについては怒らないでやってくれ。いくら予想が的中したからといって相手は動物だ。それに負けたのは俺だ。彼は関係ない。」
「そういう事を言ってんじゃねえよコノヤロー!ちくしょう、勝ったら………」
律儀に質問に答えたドイツに憤慨するロマーノ。しかし、何かを言おうとした途中で顔を赤くして言葉を詰まらせてしまった。
「勝ったら…何だ?」
「な、何でもねえよこんちくしょう!!勝ったら祝ってやろうと思ってただけだこのケバッレ!!
…………あ…」
そしてあろうことか、ドイツが聞くとその勢いで全て答えてしまった。
「ああ…すまなかった。しかし、お前がそう思ってくれていたのはとても嬉しい。」
「な、な、んな事思ってなんかねえよ!嘘に決まってんだろこの野郎が!耳腐ってんじゃねーのか!」
正直に感謝の意を述べるドイツ。それに対しロマーノは物凄い剣幕で否定し、罵声を浴びせる。しかしその頬は熟れたトマトのように赤く染まっており、全くと言っていいほど威厳を感じない。
「そんな咄嗟に嘘がでるはずがないだろう。それに、顔が赤い。照れ隠しか?」
「~~~!!うるせえ!死ねバーカ!カッツォ!」
そう言うなりロマーノは自宅を出てきた時と同じく、勢いよく立ち上がって乱暴にドアを開けて出て行ってしまった。
それから数日後、ウルグアイ対ドイツの試合でドイツは3位を勝ち取った。
その当日、リビングのテーブルの上に焼きたてのピッツァが置いてあってドイツはふと頬を緩めた。
次の日にドイツがイタリア兄弟の家を訪ねたのはまた別の話。
ちなみに一人取り残されたスペインはと言うと…
「なーフランスー、俺ロマーノになんかしてしもたやろか…」
「……お兄さんは気付かないお前が悪いと思うよ。」
フランスに憐れみを含んだ視線を受けていた。
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